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アニメ 2009年 8月 3日 05:32

「福井晴敏が語るガンダムUC」のインタビュー内容

ガンダム ガンダムエース 安彦良和 富野由悠季 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 機動戦士ガンダムUC
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7月31日(金)にNHK-BS2で放送された『ガンダム宇宙世紀大全』の第五夜の特集コーナー「福井晴敏が語るガンダムUC」で、福井さんが語ったインタビュー内容を書き起こしてみました(一部省略したところもあります)。

かなり長文ですが、福井さんが小説『機動戦士ガンダムユニコーン』を執筆するに至った経緯やユニコーンで描きたかったことなどが語られています。また、アニメ化に向けて福井さんが監督や脚本家との打ち合わせをしている所にもカメラが入り、議論をしている場面も放送されました。

金曜日に見逃してしまった人は、是非読んで見てください。


東京都杉並区のアニメスタジオ(サンライズ)。
ここでガンダムシリーズの最新作が作られています。
タイトルは『機動戦士ガンダムユニコーン』。宇宙世紀の新たな歴史を描く作品です。
アニメのベースとなるのは、今年完結した小説です。
著者は福井晴敏。
宇宙世紀の歴史を引き継ぐ新しいガンダムで福井さんが描こうとしたものはなんだったのか。
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ガンダムの新しい物語が生まれるきっかけはガンダム専門雑誌ガンダムエース2003年1月号での安彦良和氏と福井氏の対談。
ファーストガンダムのキャラクターデザイナーだった安彦良和さんが対談相手に福井さんを指名したのです。
この雑誌の編集者長だった古林さんが福井さんがガンダムファンだと知り、その場でガンダム小説の執筆を依頼しました。

古林「ファーストガンダムに続く宇宙世紀のガンダム的なものを書けるのはこの人しかいないと思いました。文壇で活躍されている福井さんがガンダムを書くということで、とにかく話題にしたいなと、乱歩賞や直木賞をうかがう様な作家があえてガンダムを書くんだと」

場面変わって福井さんの自宅の仕事場(自室)でのインタビュー場面

福井さんは現在40歳 機動戦士ガンダムが最初のブームを引き起こしたのは中学に入るころでした。
新しいガンダム小説の依頼を受けた福井さんがまず考えたのが誰に向けて書くのかということでした。

福井「最初はなんでもいいからガンダムの小説をという話だったんですね。最初に考えたことは大人用のやつをやろうということでした。
大人用というのは何かというと、結局今までのガンダムは中学生高校生をメインのボリュームゾーンに据えた作品になってたいたんですね。
だから、今回それを中高生のときに見て育った自分が今もう一度やるんだったら自分と同世代の男たちに向けた今のわれわれの40前後という人間たちが読むに値するものをやろうと。
そのためにはわれわれが知っている最初の機動戦士ガンダムからつづく宇宙世紀シリーズ
それをやるのが一番いいだろうなという考え方でした。」


福井さんは新たなガンダムの舞台を逆襲のシャアの結末(U.C.0093)の3年後と設定

福井「富野由悠季という人が作った作品の世界に対して、こちらが続きを継ぎ足すというのは、「最低限しなければならないことっていうのがあるな」ていうのが、ガンダムという宇宙世紀という世界全体を一旦わしづかみにしないとだめだ。
やはりどこか局部をつまんでのお話になってしまうと、それはどうやったって正伝にはかなわないわけですよ。
だからそこに継ぎ足されてかつ継ぎ足されたにことで何か意味を、他のものに全体の意味を生じさせるサムシングっていうところで、その宇宙世紀の100年間ですよね、ちょうど逆襲のシャアからの3年後って96年。この100年というのはというのは一体なんだったんだ、なにが原因でこんなことになって、そこにはどんな秘密が隠されているのだろうという視点でガンダムをもういっぺん見直すという。
これを思いついた段階でこれはいけるし、はじめたら大変なことになることは最初から分かっていたんですけど、でもまあやる価値はあるなと。」


小説のプロローグは宇宙世紀元年、その後舞台は宇宙世紀0096へと移ります。
一見平和な、しかし地球連邦とネオジオンの小競り合いが続く世界が舞台、福井さんはそこに現在の世界情勢を反映させたといいます。

福井「逆襲のシャアで巨大隕石を地球に落とそうとして、地球をいっぺん人の住めない惑星にしちゃおうというすごい作戦が遂行されそうになって、その前哨戦みたいなことが起こっているというのが逆襲のシャアの世界なんですけど、あれがあの世界における9.11に相当するだろうなと。
で、それに対する主人公たちの距離のとり方というところですけど、それっていうのは俺たちがテレビ画面越しに見る9.11テロでありイラク戦争でありって言うぐらいの距離感なんですね。
そこの部分はこちらが設定した宇宙世紀のあの世界にはぴったっとくるなと。」


この物語を書くに当たって福井さんがこだわったのはキャラクターとメカのデザイン。
二人のデザイナーを自ら指名しました。

福井「いわゆる正伝という形で、今までのガンダム世界をわしづかみにする、わしづかみにするということは一つ間違えば根底からひっくり返しかねないということなんですよ。
これはみんなが見たこともないという絵の人では絶対だめだ。
だからまずキャラクターとしてかつてのガンプラ少年たちの一番記憶に残っている、ガンダムといったらこのひとの絵だという安彦良和さん、
メカニックとして、21世紀以降のガンプラ市場をもう一度再燃した、大人用のガンプラ市場をスタイルとしてフォーマットさせたのがカトキさんだったので、これを両方取り込もうと。
それをやれなければ この企画は俺一人では成功させる自信がないから、この二人がうまく口説けたら俺やるよというくらいのつもりで、ほんとお百度参りをしてなんとかというところでした。」


場面変わって、アニメスタジオの一室で、原作者の福井さん、監督の古橋一浩さん、脚本のむとうやすゆきさんほか多数のスタップを交えて脚本の打ち合わせをする場面

福井さんは脚本の打ち合わせにも必ず出席します。
監督と脚本家とアニメの脚本を検討します。
議論の的となったのはこのセリフ。
古橋監督が原稿を指して「この二行っていりますかね?」「ハサン先生の話では、もう女性としての機能は破壊されているとか」
脚本家「それ古橋さんあのー、フロンタルのところであれを切った分残しておこうかなとおもったんだけど、どうかな、絵でわかんのかな?」

ここで『機動戦士ガンダムユニコーン』 第3話「ラプラスの亡霊」(仮)第六稿の原稿が写される。

福井「これ重要ですよ、要はこのユニコーンって遺伝子継承万歳って話じゃないですか、父から子へっていう、それだとさまざまの事情で子供のないひとっていうのはたくさんいるわけだから、一方でマリーダのようにその機能がすでに失われている人でも未来が見出せたっていうところでのあれなんで。」
監督「セリフでいわなくてもそれは想像させられるかなとも思うのですが、無理ですかね、絵でやるよりセリフでやったほうが、まだやわらかいですよね。はいじゃあわかりました。」
スタッフの一人「口にさせるのはやっぱり女性(レイアム)だから」
監督「まだまだ(やわらかい方ですね)」
スタッフの一人「でもレイアムって言い切りますよね。」
古橋監督「レイアムだったら言うですかね」
脚本家「女性としての機能も…」で止めるという手もありますけどね?「破壊されていると」っていうところへの憤りは、表情、目の芝居の中でいれていますよね。」
監督「はい、じゃあそれでよければ」
福井氏もうなずく。

執筆を終えた今も福井さんがガンダムユニコーンに熱心に取り組むのはファーストガンダム世代の一人としてどうしても伝えたことがあるからです。

再び自室でのインタビュー場面

福井「ガンプラカッコイイっていうだけで終わっちゃって、それ以降見向きもしなかった人もとても多いと思います。
でもその一方で俺みたいに、それを見たということが、のちの人生を生きていくうえで、「生き方を気をつける」ということのきっかけになったという人もまた何人かはいるでしょう。
そう感じている人は少なくとも必ずいるし、そう感じている人たちが新しい可能性を呼び込むかもしれないのだから、無駄かもしれないけどちゃんと伝えていきましょう。」

「人類というものに対して非常に懐疑的であるわけじゃないですか。われわれは。
このまま進んでもあんまりいいことはないんじゃないとか、そもそも生まれたのが間違いだったんじゃないとか。
そういう中で育って、でも俺たちが実際子供まで出来ているんだったら、人類が生まれたことは間違いだったんだとは子供には教えられないわけですよ。
そういう中でも自分たちをどう肯定してどう未来を見据えていくかという話を絶対的にしなければいけないので、その上で次のこと、明日のことをもう一度捉え直してみませんかという思いが一番強いですね。ユニコーンガンダムは。」


おしまい。
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